ユキマサくん純さん、俺昔スピード違反で罰金払ったことあるんやけど、建設業許可って取れるん?



交通違反があっただけで、すぐ建設業許可を取れなくなるわけではありません。
大事なのは、何の違反で、どんな刑や処分を受けたのかです。
「昔、飲酒運転をした」「スピード違反で罰金を払った」「免許停止になったことがある」というだけで、建設業許可が一律に取れなくなるわけではありません。
建設業法では、拘禁刑以上の刑を受けた場合と、特定の法律違反・犯罪によって罰金刑を受けた場合を分けて欠格要件を定めています。
道路交通法違反による罰金刑は、それだけで建設業法第8条の「特定の罰金刑」に該当するわけではありません。ただし、飲酒運転や重大な交通事故などで拘禁刑以上の刑を受ければ、別の欠格要件に該当する可能性があります。
大分県で建設業許可の新規取得を考えている社長から、意外とよく聞かれるのが過去の交通違反についてです。
「若い頃にスピード違反をした」「飲酒運転で捕まったことがある」「免停になった」「罰金を払ったことがある」。
こうした経験があると、「前科があるから建設業許可は無理じゃないか」と心配する社長もいます。
ただし、建設業許可の欠格要件は、単純に「警察に捕まったことがあるか」「罰金を払ったことがあるか」だけで判断する制度ではありません。
どの法律に違反し、刑事処分として何の刑を受けたのかを確認する必要があります。
この記事では、大分県で建設業許可を新規取得したい会社の社長向けに、飲酒運転、スピード違反、罰金刑、拘禁刑などと建設業許可の欠格要件の関係を、大分市の行政書士が公的資料に基づいて解説します。
- 飲酒運転歴があると建設業許可を取れないのか
- スピード違反・反則金は欠格要件になるのか
- 道路交通法違反で罰金刑を受けた場合の考え方
- 拘禁刑以上の刑を受けた場合の5年ルール
- 役員の一人が欠格要件に該当した場合どうなるのか
- 「前科がある=全部ダメ」ではない理由
建設業許可には「欠格要件」がある



そもそも欠格要件って何なん?



一定の事情に該当する人には、建設業許可を出せないと法律で決められている要件です。
大分県は、建設業許可を受けるためには建設業法第7条の許可要件を満たすだけでなく、同法第8条の欠格要件に該当しないことが必要と案内しています。
欠格要件には、破産して復権を得ていない場合、一定の理由による建設業許可取消しから5年を経過していない場合、一定の刑罰を受けてから一定期間を経過していない場合、暴力団員等に該当する場合などがあります。
この記事で特に重要なのは、刑罰に関する次の2つです。
- 拘禁刑以上の刑を受けた場合
- 建設業法など一定の法律違反・犯罪によって罰金刑を受けた場合
この2つは同じではありません。
「罰金を払ったことがある=建設業許可が取れない」ではない



俺、昔罰金払ったぞ。じゃあアウトじゃないの?



罰金刑なら何でも欠格要件になるわけではありません。
何の法律違反による罰金なのかを確認します。
建設業法第8条では、罰金刑について対象となる法律や犯罪を限定しています。
例えば、建設業法、建設工事の施工や建設労働者の使用に関する一定の法令、暴力団対策法の一定の違反、刑法上の傷害・暴行・脅迫・背任などの罪、暴力行為等処罰法違反などによって罰金刑を受け、刑の執行を終えてから5年を経過していない場合は欠格要件に該当します。
一方、道路交通法は、この罰金刑について列挙されている法律には含まれていません。
したがって、道路交通法違反で「罰金刑を受けた」という事実だけで、直ちに建設業法第8条の罰金刑による欠格要件に該当するわけではありません。
「罰金を払ったことがあるか」だけでは判断できません。何の違反で、どの刑を受けたのかを確認する必要があります。
スピード違反をしたことがある場合は?



スピード違反で青切符切られて反則金払ったことあるんだけど。



交通反則通告制度の反則金を納付して処理されたものなら、罰金刑とは違います。
それだけで建設業許可の欠格要件になるものではありません。
警察庁によると、交通反則通告制度、いわゆる「青切符」は、比較的軽微な道路交通法違反について、反則金を納付すれば公訴を提起されない制度です。
警察庁は、反則金を納付した場合、刑事手続に移行せず、起訴されず、いわゆる前科も付かないと説明しています。
そのため、一般的なスピード違反で青切符を受け、反則金を納付して終了したというケースであれば、それ自体を理由に建設業許可が取れなくなるわけではありません。



じゃあスピード違反なら何回やってても関係ないってこと?



そこまで一括りにはできません。
重大な速度超過などで刑事手続になり、どの刑を受けたのかによって扱いが変わります。
速度違反でも、交通反則通告制度では処理されず、刑事事件として罰金刑や拘禁刑などを受けるケースがあります。
その場合は、刑の内容まで確認して建設業法の欠格要件に該当するか判断します。
道路交通法違反で「罰金刑」になったら?



青切符じゃなくて、裁判所で罰金になった場合は?



道路交通法違反による罰金刑だけなら、建設業法第8条が定める「一定の犯罪による罰金刑」には道路交通法は列挙されていません。
ここは、社長が特に勘違いしやすいところです。
建設業法は、「何らかの犯罪で罰金刑を受けた人すべて」を欠格要件にしているわけではありません。
建設業法第8条第8号では、罰金刑について対象となる法律や犯罪を限定しています。
道路交通法は、その条文に列挙された罰金刑の対象法令には含まれていません。
したがって、例えば速度超過など道路交通法違反による罰金刑だけを理由として、当然に5年間建設業許可が取れなくなるという制度ではありません。
ただし、交通事故などで道路交通法以外の罪も成立している場合や、拘禁刑以上の刑を受けた場合は別です。「交通違反だから大丈夫」と違反名だけで自己判断しないでください。
飲酒運転をしたことがある場合は?



じゃあ飲酒運転は?昔、酒気帯びで捕まったことある社長も結構おるぞ。



飲酒運転も、「飲酒運転をした」という事実だけではなく、最終的にどの刑を受けたのかを確認します。
警察庁によると、酒酔い運転や酒気帯び運転には道路交通法上の刑事罰があります。
飲酒運転は一般的な青切符による反則金処理の対象となる軽微な違反とは異なり、刑事手続の対象になります。
ただし、建設業許可との関係では、やはり実際に受けた刑が何だったのかが重要です。
道路交通法違反による罰金刑だけであれば、建設業法第8条第8号が列挙する罰金刑の対象には道路交通法が含まれていません。
一方で、飲酒運転などによって拘禁刑以上の刑を受けた場合は話が変わります。
拘禁刑以上の刑を受けると、犯罪の種類を問わず問題になる



道路交通法が罰金の対象に入ってないなら、飲酒運転でも大丈夫なんじゃないの?



拘禁刑以上になると別です。
建設業法第8条第7号は、犯罪の種類を道路交通法などに限定していません。
現在の建設業法第8条第7号では、拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者を欠格要件としています。
ここでは、「建設業関係の犯罪だけ」という限定はありません。
そのため、道路交通法違反であっても、拘禁刑以上の刑を受けた場合には建設業許可へ影響します。
実際に国土交通省のネガティブ情報等検索サイトには、取締役が道路交通法違反などによって懲役刑・執行猶予付きの判決を受けたことを理由として、建設業法の欠格要件に該当し、建設業許可が取り消された事例が掲載されています。
道路交通法違反で懲役4月・執行猶予3年の刑が確定し、許可取消しとなった事例も公表されています。
「交通違反だから建設業許可には関係ない」という理解は危険です。罰金刑なのか、拘禁刑以上なのかで結論が大きく変わります。
執行猶予が付いていれば大丈夫?



実刑じゃなくて執行猶予ならセーフなん?



「刑務所に入っていないから大丈夫」とは判断できません。
実際に、執行猶予付きの懲役刑が確定した役員がいたことを理由に、建設業許可が取り消された公表事例があります。
先ほど建設業許可が取り消された事例があると言いましたよね。
さらに大分県でも、代表取締役が公契約関係競売入札妨害罪で懲役1年・執行猶予3年の判決を受け、その刑が確定したことを理由として、2026年2月に建設業許可を取り消した事例を公表しています。
したがって、「執行猶予だから刑を受けていない」という理解で申請するのは危険です。
免許停止・免許取消しだけなら建設業許可もダメ?



昔、免停になったことあるんだけど。それも欠格要件?



運転免許の行政処分と建設業法上の欠格要件は別の制度です。
免許停止や取消しになったという事実だけで、建設業許可の欠格要件に当たるわけではありません。
警察庁は、飲酒運転などについて、刑事罰とは別に免許停止・免許取消しなどの行政処分を定めています。
一方、建設業許可の欠格要件は建設業法第8条に定められています。
そのため、「昔免停になった」「免許を取り消された」という情報だけでは、建設業許可の可否は判断できません。
その交通違反について、刑事処分として何が確定したのかまで確認します。
役員一人の問題でも会社の建設業許可に影響する



俺じゃなくて、取締役の一人に昔の前科がある場合は?



法人の場合、社長だけを確認する制度ではありません。
役員等や一定の使用人に欠格要件該当者がいる場合も問題になります。
国土交通省は、許可申請者本人だけでなく、法人の役員等や建設業法施行令第3条の使用人などに欠格要件該当者がいる場合、許可を行わないと説明しています。
そのため、新規許可を申請するときは代表取締役だけでなく、対象となる役員等についても確認が必要です。
「社長本人は何も問題ないから大丈夫」と決めつけないようにしてください。
「前科があります」だけでは許可できるか判断できない



行政書士に相談するとき、「前科があります」って言えば分かる?



もう少し具体的な情報が必要です。
何の罪で、何の刑を受け、いつ確定・終了したのかを確認します。
「前科」という言葉だけでは、建設業許可の欠格要件に該当するか判断できません。
例えば、罰金刑であれば、その犯罪が建設業法第8条第8号の対象になるのかを確認します。
拘禁刑以上の刑であれば、犯罪の種類とは別に同条第7号との関係を確認します。
新規申請前には、少なくとも次の内容を整理してください。
- 何の違反・犯罪だったのか
- 罰金・拘禁刑など、何の刑を受けたのか
- 判決・略式命令等がいつ確定したのか
- 刑の執行がいつ終了したのか
- 誰がその刑を受けたのか
この情報が分かれば、建設業法のどの欠格要件を確認する必要があるのかを整理しやすくなります。
申請書に都合の悪いことを書かなければいい、は危険



昔のことだし、書かなければ分からんのじゃない?



それはやめてください。
建設業法は、申請書や添付書類に重要な事項について虚偽の記載がある場合や、重要な事実が欠けている場合も許可しないと定めています。
建設業法第8条は、欠格要件に該当する場合だけでなく、許可申請書や添付書類について重要な虚偽記載や重要な事実の記載漏れがある場合も、許可をしてはならないとしています。
「昔のことだから黙っておこう」という考え方は、新規許可申請では避けるべきです。
気になる刑事処分歴がある場合は、申請する前に確認しておく方が安全です。
まとめ



昔スピード違反しただけで許可取れんと思ってたけど、そんな単純じゃないんやな。



そうですね。
交通違反歴があるかどうかではなく、最終的にどの刑を受けたのかまで確認して判断します。
この記事の重要ポイント
- 交通違反歴があるだけで建設業許可を取れなくなるわけではない
- スピード違反の反則金と刑事罰としての罰金刑は別
- 交通反則通告制度で反則金を納付した場合は、起訴されず前科も付かない
- 道路交通法違反の罰金刑だけで建設業法第8条第8号に当然該当するわけではない
- 拘禁刑以上の刑を受けた場合は犯罪の種類を問わず建設業法第8条第7号が問題になる
- 飲酒運転も「飲酒運転だった」というだけではなく、実際に受けた刑を確認する
- 執行猶予付きの拘禁刑等でも建設業許可に影響することがある
- 法人では社長だけでなく役員等についても欠格要件を確認する
- 申請書に重要な虚偽記載や事実の記載漏れがある場合も許可されない
昔の飲酒運転や罰金が気になっている大分県の社長は申請前にご相談ください
「昔、飲酒運転で捕まったことがある」「スピード違反で罰金を払った」「免許取消しになったことがある」「役員に前科があるけど建設業許可を取れるのか分からない」という大分県の建設会社の社長は、自己判断で許可申請を諦める必要はありません。
一方で、「交通違反だから関係ない」と決めつけて申請するのも危険です。
大分市の純行政書士事務所では、違反・犯罪の内容、受けた刑、時期などを確認し、建設業法上の欠格要件に該当する可能性があるのかを整理します。
欠格要件だけでなく、常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎、営業所などを含めて、大分県の建設業許可を新規取得できそうか確認することもできます。
「昔の交通違反が気になっている」という段階でお問い合わせいただいて大丈夫です。
許可申請をご依頼いただいた場合は、公的書類の収集、申請書の作成、大分県への申請まで対応しますので、社長は浮いた時間を現場や営業に使っていただけます。
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大分市を中心に、大分県内の建設会社・建設業者の建設業許可申請に対応しています。
社長とのご縁を楽しみにしております。








