ユキマサくんなぁ純さん、オレは資格を持ってないから建設業許可取れないのか?



ユキマサ社長、諦めるのは早いです。
資格がなくても10年間の実務経験を証明できれば許可を取れるかもしれませんよ。
「国家資格を持っていないから、建設業許可取得は厳しい?」
30代・40代の社長からこのような相談をよく受けます。。
しかし2級土木施工管理技士のような資格がなくても、社長や従業員で10年間の実務経験を証明すれば大分県知事許可の申請で許可は取れます。(他の要件を満たせば)
改正建設業法により、長年「専任技術者」と呼ばれていた名称は「営業所技術者」へ改められました。書類の呼び名は変わりましたが、人が担う役割と実務経験で証明する仕組みは変わっていません。本記事では、資格を持たない方が大分県で一般建設業の建設業許可を取るための方法を解説します。
営業所技術者とは?―2024年12月の改正で呼び名が変わりました
「営業所技術者」は建設業を営む営業所ごとに置く技術的な責任者のことです。
請負契約の締結、施工の管理、工事の完成までを一貫して担う立場で、建設業許可の人的要件の柱です。
営業所に常勤していることが求められ、他社との二重常勤は原則として認められません。
改正建設業法により、2024年12月13日から「専任技術者」は「営業所技術者」(特定建設業では「特定営業所技術者」)に改称されました。
建設業許可には「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があり、本記事が扱うのは一般建設業のルートです。
特定建設業(発注者から直接5,000万円以上(建築一式工事:下請代金8,000万円以上)の工事を下請に出す側)は1級国家資格など別要件が求められ、10年実務経験だけでは満たせません。
営業所技術者になれる3つのルート
建設業法の定める人的要件では、いずれかに該当すれば営業所技術者の要件を満たすことができます。
- 国家資格を持つ人(2級施工管理技士、建築士など、対応する業種の資格保有者)
- 指定学科を卒業して、一定年数の実務経験を重ねた人(高校・専門学校卒は5年、大学卒は3年)
- 許可を受けようとする業種で10年以上の実務経験がある人
3番目の「資格なし・学歴不問・10年の実務経験で証明する」ルートは、現場で腕を磨いてきた30〜40代の建設業の社長にとって、現実的に取りうる選択肢です。
大分県内でも、とび・土工工事業、内装工事業、塗装工事業など多くの業種で、このルートで申請するケースはけっして少なくありません。


10年実務経験に問われる5つの基本ルール
10年実務経験で証明する方法はシンプルに見えて、審査では落とし穴になるポイントが複数あります。
順に整理します。
① 対象業種の経験かどうかが問われる
取得したい業種(例:とび・土工工事業)と、実際に携わった実務内容・工事の種類が一致している必要があります。
塗装しかやってこなかった方が内装工事業の許可として申請しても、対象業種の不一致で審査を通過できません。
建設業は29業種に分かれており、自分が携わってきた工事がどの業種に該当するのかを、申請前に整理しておく必要があります。
② 1年を12か月で数える
実務経験は「従事した月数」を積み上げます。10年は120か月以上が一つの目安です。
大分県では年単位での確認が中心ですが、申請書類の作成段階で月単位まで詰めておくと、証明者への確認漏れを防げます。
連続である必要はありませんが、複数企業にまたがる同じ期間の経験は不可です。
離職期間があれば差し引いて計算します。
余裕をもって、11年分ほどの実務経験が証明できると安心です。
③ 業種が違うと合算できない
「とび・土工で3年、内装で7年」を足して10年とする扱いは不可です。
業種ごとに独立した10年以上の実務経験が必要です。複数業種の許可を取りたい場合は、それぞれで10年を積み上げるか、国家資格ルートに切り替えるのが現実的です。
④ 常勤性が問われる
実務経験の期間中、その勤め先に常勤していたことが要件です。
短時間勤務、日雇い、業務委託などの経験は、常勤性や実務内容の証明が難しく、認められない可能性があります。
最終的には、勤務実態と申請先の審査運用に基づいて判断されます。
⑤ 雑務だけでは実務経験にならない
書類整理、倉庫番、清掃のみといった「建設工事の施工に直接関わらない業務」では、実務経験としてカウントされません。「施工に関する技術上の職務経験」が問われるため、現場で実際の工事に携わった実績が不可欠です。
実務経験証明書(様式第9号)の具体的な中身
実務経験で申請する場合、必ず提出するのが「実務経験証明書(様式第9号)」です 。
証明書には次の情報を記載します。
- 証明者(原則として元雇用主)の住所・氏名・押印
- 営業所技術者本人の氏名・住所・生年月日
- 実務経験の年数(満○年○か月)
- 経験した主な工事名・工事内容
- 経験期間中の常勤性
証明書は形式的に整っているだけでは足りず、当時その人が常勤していたこと、そして対象業種の工事に関わっていたことを示す裏付け資料を求められるケースが増えています。
具体的には次のような書類がセットで求められる代表例です。
- 雇用保険の加入履歴、厚生年金記録
- 源泉徴収票、給与明細
- 当時の工事請負契約書、注文書、請求書
- 建設工事の確認書類(施工計画書、竣工書類、工事台帳)
証明者が廃業していて押印が取れない場合は、公的資料だけで積み上げる必要があり、準備に時間がかかります。早めの段階から書類の所在を確認しておくのがポイントです。
業種別の実務例―とび・土工、内装、塗装
とび・土工工事業
足場の組立て、鉄骨の組立て、土工一式(掘削・盛土・コンクリート打設など)の経験が対象です。型枠工事やコンクリート圧送といった関連作業を経験として算入できるケースも多く、現場のヘルプから職長まで段階的に経験を重ねてきた方は10年の到達が現実的になりやすい業種です。
内装工事業
ボード張り、クロス張り、間仕切り設置、床仕上げといった内装仕上げ工事の経験が対象です。家具設置のみ、クリーニングのみといった業務は内装工事業の実務経験として認められにくいので、実務内容の整理が必要です。
下請けとして造作家具の据付を経験していた方など、関連する工事経験をどう位置付けるかがポイントです。
塗装工事業
建築塗装、鋼構造物塗装、路面標示などの経験が対象です。吹付け塗装やローリングタワー上での作業も実務経験として積み上げ可能です。民間住宅の塗り替えから公共インフラの塗装まで、幅広い現場を経験してきた方は10年のカウントがしやすい業種です。
いずれの業種も、請負契約書や工事台帳で対象業種と整合する工事経験を1件ずつ積み上げられるかが、証明の説得力を左右します。
大分県で申請する実務ポイント
申請窓口
大分県知事許可の申請窓口は、県庁の土木建築企画課 建設業指導班です。
大分市の受付は、40m道路沿いの土木事務所の2階です。(2027年以降移転予定)
申請する会社の本店所在地により、書類の提出先が異なりますので注意しましょう。
標準審査期間
新規許可申請の審査は、書類に不備がないことを前提に、おおむね30日程度が標準処理期間として公表されています。
繁忙期や書類に追記が必要になる場合は長くなるため、半年以内の着工を予定している方は余裕を持ったスケジュール設計が必要です。
提出後の追加資料依頼は審査を一時止めるため、最初の提出時点で書類を完備しておくのが鉄則です。
申請手数料
大分県の申請手数料は9万円です。
なお、許可できなかった場合でも返金はされないため、要件を満たしているか事前確認を済ませてから納付するのが安全です。
電子申請(JCIP)
国土交通省が運営する「JCIP」(建設業許可・経営事項審査電子申請システム)を使った電子申請は、令和5年1月から始まっています。
外出が多い30〜40代の社長にとっては、書類搬入の回数を減らせる手段として有効です。
申請でつまずきやすい3つの落とし穴
電気工事業、消防施設工事業は実務経験だけでは取れない
電気工事業および消防施設工事業は、一般の業種とは異なる資格要件が定められています。
電気工事士、電気主任技術者、消防設備士など、業種に対応する資格や実務経験の要件を個別に確認する必要があります。
指定建設業7業種の特定建設業許可は別ルール
土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園の7業種は指定建設業と呼ばれ、特定建設業の許可を取ろうとする場合は1級国家資格か国土交通大臣認定が必要です。
一般建設業の10年実務経験ルートでは届かず、特定を狙うなら資格取得が現実的な選択肢になります。
証明者が押印できないケース
当時の勤め先が廃業・解散している、あるいは代表者と連絡が取れないというケースは珍しくありません。
証明者の押印が取れない場合、公的資料での裏付けを厚くする必要があります。
健康保険記録、所得税の源泉徴収簿、工事請負契約書の写しなどを組み合わせて、10年分の常勤性を文書で積み上げることが重要です。この場合は行政書士への相談が近道になります。
よくある質問
Q. 元勤務先が複数の場合はどう証明する?
元勤務先ごとに実務経験証明書を作成し、それぞれ元雇用主から押印をもらいます。
Q. 自営業(一人親方)の期間もカウントできる?
建設業を営んでいたことを客観的に証明できる資料(確定申告書、請負契約書、建設業許可業者としての施工実績など)が必要です。
無許可で営業していた期間も、工事実績と常勤性を資料で示せればカウントできるケースがあります。


Q. 配偶者や家族の押印でも大丈夫?
家族経営の会社でも代表権を持つ役員が証明者として求められます。
証明者が個人事業主の場合は本人自身の証明で対応可能です。
まとめ
- 国家資格がなくても、一般建設業について、許可を受けようとする業種に対応する10年以上の実務経験を証明できれば、営業所技術者の要件を満たせる可能性があります。
- ただし、実務経験は業種ごとに判断され、工事内容、勤務実態、常勤性または事業実態を資料で証明しなければなりません。
- 営業所技術者以外にも、経営業務を適正に行う体制、社会保険、財産的基礎、誠実性、欠格要件などを満たす必要があります。
- 大分県知事許可の場合、申請書類は本店所在地を所管する土木事務所へ提出し、標準処理期間は書類不備による補正期間を除き、おおむね30日程度です。
- 電気工事業、消防施設工事業、特定建設業などは別途の資格・経験要件が関係するため、通常の「10年実務経験ルート」をそのまま適用できるとは限りません。
「必要な資格を持っていないから建設業許可は無理!」そう思い込んでいた社長でも、対象業種での10年実務経験を証明して大分県知事許可を取得できる可能性はあります。
実務経験証明書を軸に、当時の常勤性と実務内容が確認できる資料を抜けなく揃えられるかが許可取得の分かれ道となります。
大分県内で建設業許可の手続きを本格検討するなら、まず自分の実務経歴を10年分のタイムラインに書き出し、対象業種の工事経験を1件ずつ整理してみましょう。
そこから逆算していくと、足りない証拠書類と追加で必要な証明書が見えてきますよ。
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- 大分県で建設業許可を新規取得して事業を拡大したい
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